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バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生 感想

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この記事はネタバレです。配慮はありません。

 

 

 

立川シネマシティの爆音で鑑賞しました。

 

総評としては「面白いとは言いがたいけど、筋の通ってない映画ではない」です。

次作ジャスティスリーグへのブリッジ(橋渡し)に留まってしまった感もあります。

 

ある意味、新劇場版エヴァ:Qと似た部分があると思います。

次作へのブリッジの部分が強く、ひとつの話として評価できない。

ちなみに自分は、エヴァQの評価は保留という立場です。

 

 

今回の映画の筋書きですが、単純です。

バットマンとスーパーマンが、それぞれのヒーローとしての動機を逆手に取られ

悪役の思惑のまま対決するが、あるきっかけで分かり合い共闘する。

以上です。

 

非常にシンプルですが、こんなシンプルな話を明快に描けないなんて…ザック監督ちょっとやばくない?と思わなくもない所です。

 

 

細かく見ましょう。

 

スーパーマンは、自分を受け入れ愛してくれる人のために自分の力を使う事を前作で学びました。愛する人は彼の最大の支えであり、弱点でもあります。今回はそこを利用されてしましました。彼の超人的な力はその存在だけで世界を揺るがしていて、国にも人にも変革を迫っています。この辺の話は「ウォッチメン」のDr.マンハッタンにも通じる感じです。

 

バットマンは今回オリジンが描かれ、暴漢に目の前で両親を殺された体験から、強烈な悪への憎悪を持ち、恐怖による悪の抑制と制裁を行う人物であるとされました。

そのような動機を持つ彼が、スーパーマンをも恐怖による抑制に置こうとするのはある意味当然とも言えます。どんな善良な人も悪に堕ちる事を知っているからなおさらです。

 

そして今作の3人目の主人公とも言えるレックス・ルーサーですが、彼が何をしたかったのかを理解するのは少し困難です。スーパーマンを殺したかったのは本当のようですが、それは何の目的だったのか?スーパーパワーを持つ人間のデータを集めていたのはなぜか?光と闇の軍勢の戦い、という彼の誇大妄想を実現するはじまりの「鐘を鳴らす」事が目的だったのかもしれないし、もっと遠大な目的があるのかもしれない。これは次作以降を見ないといけない部分ですね。

 

 

今回の映画の結果、3人の主人公がどうなったかというと

スーパーマンは、自分の世界から連れて来てしまった脅威に、自分の命でケジメをつけました。贖罪を果たしたとも言えます。

ルーサーはスーパーマンを殺したことで「鐘を鳴らす」事に成功しました。

バットマンはその心に正義の光を灯しました。

誰も負けてない!笑

 

このバットマンの心変わりがわからないという方がおられましたが、自分はこう考えています。バットマンは両親の死の悲しみを、悪に対する徹底的な攻撃という行動に繋げていました。完全なクライムファイターです。しかし今回、失った母と同じ名前の、クラークの母を命の危機から救う機会に恵まれました。あの時救えなかった母を、本当は救いたかったのだというバットマンの本心。バットマンが身を挺して炎からクラーク母を守ったカットには、そういう意図がこめられていたと思います。悪に対する憎悪のみが戦いじゃない、自分には人を救う戦いもする理由がある、それがバットマンに灯った正義の光ではないでしょうか。

 

 

前作「マン・オブ・スティール」でスーパーマンの心に正義の光が灯される話が描かれたように、今作はバットマンに正義の光が灯される過程が描かれた。。これが今作を一番要約したまとめだと思います。

 

ただ、これでいくと、ちょっとした不安が持ち上がります。

これ、次作でもヒーローたちがちょっと正義に目覚めるだけの話になるんじゃないか…? 本当にジャスティスリーグがヒーローとして活躍するのは、次次作の終盤とかになってしまうんじゃないのか!? これは…なかなかしんどいですよ。

 

 

長くなってきたのであとは簡単に。

 

その存在や活躍が世界を変えてしまうスーパーマン、とことん不気味で悪に対して容赦のないバットマン、生命力に溢れたワンダーウーマン、それぞれの描写はとても良かったです。バットマンは今までの映画で一番好きと言ってもいいです。アルフレッドとの連携もかっこいい。

 

フラッシュやアクアマンのティザーも嬉しい…と言いたいけど、あれだけじゃ本当に付け足しだよね。どんなに無理があっても、やっぱり今回の映画で全員の顔合わせまでは行って欲しかったなぁ。少なくとも、最後にジャスティスリーグの予告を付けといてほしかったです。そうじゃないとこの映画の役目が普通の人にはわからないよ。

 

あと、ゾッド将軍の死体が毎回丸裸(股間は大体ルーサーが隠す)で出てきて、だんだん可哀想になってきます。笑